果粒間引き

 大きくなりそうな果粒と、 あんまり大きくなりそうにない不良果粒の見分けがつくようになると、 果粒が大きくなるように、ちゃんと着色するように、果粒を間引きます。 一房当たりの果粒数を抑え、果粒の大きさ、形を均一化してやるのです。

 1房当たりの果粒数は、多くても30粒くらいです。 ぶどう狩りとしては、房が大っきければ大っきいほど喜ばれますが、 果粒数が多いと、1粒が大きくなりませんし、 肝心の味がイマイチってことになってしまいます。 ぶどう狩りするときは、大房で喜ばれても、 持ち帰って食べるときには、果粒が大きくて、美味しいのが喜ばれます。 2回目、3回目と、リピートして来てもらうために、 果粒の大きさと美味しさ重視で、果粒数を制限してるのです。

 単為結果の房の粒間引きは、ちゃんと実止まりした房よりも、 果粒数を考えなくて良いし、残す果粒と間引く果粒がはっきりしてて、 手間がかかりません。 種無し小粒を間引くと、残りの果粒は、形も揃ってるし、 10粒も残ってれば良い方ですから。 ...2粒、3粒しか残らないことも、けっこうあります。

 1房あたりの果粒数は、その房が下がってる枝のサイズにもよります。 やっぱり、太い枝に下がってる房の方が、栄養状態が良いようで、 30粒くらいの房でも、十分OKです。 太い枝の房の果粒数が少ないと、枝が大きく長くなりすぎて、 他の枝の邪魔をしてしまうので、 重しのためにも、大きな房を下げとく必要があるのです。
 小さな枝に、大きな房を付けとくと、 枝が伸びない、果粒が大きくならない、着色しない、樹がダウンする、 なんてことになるので、少なめにしときます。 でも、実止まり状態としては、太い枝に小さな房(単為結果)、 細い枝に大きな房、ってことが多いから、困ったものです。 どれを落とそうかと、迷うのです。

 たくさんの果粒を、房を付けたまま、肥料を沢山沢山やって育てる方法もあるようです。 ただ、それをやると、樹への負担が大きすぎて、冬になって枯れてしまったり、 次の年に花芽が出てこなかったり、樹がダウンした状態になってしまします。
 どっかにギリギリの線があるんでしょう。 それがはっきり分かればイイんですけどねぇ。 長年やってる人でも、迷ってばかりで、誰も教えてくれませんね。

 粒間引きを繰り返し、3回目で、一応、最終段階のつもりです。 でも、しばらくして小さな粒が目立つようなら、粒の大きさを揃えるために、もう一度間引きます。


最終更新日:1997年5月22日
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