花芽欠き

 花芽欠きは、枝の太さや勢いに見合った花芽の数になるように、 調整してやる作業のことです。 調整と言っても、まぁ、花芽が足りないからと、取って付けることができるわけでもなく、 多すぎるのを減らして調整するだけです。

 この作業は、ぶどう園の管理方法によっては、いらないのです。 剪定のときに、残す芽数を減らして、芽キズを入れたりして、 勢いの強い芽を出させれば、必要ないのです。 ウチは、芽キズを入れないで、勢いの弱い芽も、強い芽も、 とにかくたくさんの芽をださせる方法を採ってますから、 この作業が必要になるのです。

 種枝の先端の方の芽からでた枝は、成長が速くて、 もう立派な枝振りで、花芽も大きくなって、さらに枝が伸びようとしてますけど、 そうでない枝は、写真のように、芯が止まりかけて、これ以上伸びないんじゃないかなぁ、 枯れちゃうんじゃないかなぁ、というような状態になってるものもあるのです。
 これは、この枝にまわってくる栄養では、 花芽と枝の両方を成長させることができない、ってことなので、 花芽の数を減らして、枝の負担を軽くしてやるのです。

 真ん中の枝の2番目の花芽(一番上の花芽)を欠いたんですけど、分かりますよね。 例としては、ちょっと大きな枝過ぎたような気もします。 もちょと小さな枝を中心に、芽欠きして周ります。
 ちょっと芯が枯れてる感じなので、息を吹き返すか、自信のあるとこではありませんが、 このまま枯れてしまうよりは良いでしょ。

 こんな感じで、畑中の葡萄の枝を見てまわって、花芽欠きします。 ビニールハウスの畑を1周りするのに、4人で3日かからないくらいかな。 1周だけでは、見残しがあるので、もう一周します。

 ところで、「芯」って字で良いのかな...?。 なんか違う気がする。

 生産を手伝ってもらってる、近所のおばちゃん達、スタッフのおばちゃん達です。

 これまで、葡萄の成長記録みたいな感じの話ばかりで、 作業内容的なことを書かなかったので、作業風景も掲載しなかったんですけど、 せっかく撮ったので紹介しましょう。

 まだまだ葉っぱの量も少なくて、空がよく見えます。 今の時期の葡萄棚は、ボクみたいな身長(180cmくらい)なら、 ちょうど手がとどく高さなんですけど、 スタッフのおばちゃん達には、かなり高くて、背伸びしないと手が届かないのです。 そこで、ちょっと大きめの発砲スチロールを、ゴムひもで靴に結び付けて、 下駄みたいにしてるのです。
 以前は、ビールビンケースで作った台に乗ってたりしてましたが、 台の上から届く範囲の作業をして、台から降りて、歩いて移動して、 また台に乗って作業して、また降りて...ということで、 けっこう疲れるし、片手がふさがってしまってたのです。
 この下駄の難点は、注意して歩かないと、けっこう危なっかしい、ということです。 今までは、転んで怪我をした人はいませんが、 転ぶと、なんだか笑ってしまって、なかなか起き上がれないのです。 まぁ、この下駄を使うようになってから、草刈りの回数を増やしたりして、 障害物が転がってないようにしてはいるんですけどね。
 もちょと背の低いおばちゃんは、この下駄履いても届かないので、 ビールビンケースで作った台の上に乗って作業してもらいます。 「作った」っつっても、ビールビンケースをひっくり返して、 針金の取っ手を付けただけです。

 もちょっとして、葡萄の重量がかかるような時期になると、棚も低くなって、 葡萄の実も垂れ下がってきて、楽に作業できるようになるのです。 もっとも、そんな時期になると、今度は、ボクみたいなのが苦しくなりますが...。


最終更新日:1997年4月10日
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