ぶどう狩り・産地直売・地方発送
山門ぶどう園便り 2023年8月5日
山 門 ぶ ど う 園
〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
TEL 0996−62−1571
FAX 0996−62−4450
https://roshiroshi.synapse.kagoshima.jp/ 「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
7月、九州北部に豪雨被害があった頃、この辺りは、多少の雨はありましたけど、
ギリギリ、大雨被害は無かったです。
決心がつくようであれば、早めにビニールをはいで、巨峰の着色を進めることもできたんですけど、
テレビで見る雨が、あまりにもひどい雨で、ぶどうの粒が割れた話も聞いて、
この辺りには雨が降る予報ではなくても、一度降り始めたら豪雨が続いてしまいそうで、
怖くて、ビニールをはげませんでした。
袋かけまでの仕事の疲れもあって、
ビニールはぎのようなキツイ仕事はできそうにない、ってことで、
スタッフにも、しばらく休んでもらって、
7月15日、16日、昨年と同じくらいの日付で、ビニールをはぎました。
追肥とか、脇芽摘みとか、まだまだ畑仕事も残ってますけど、
7月21日からだったか、お客さんが来られたこともあって、少しづつ採り始めました。
脇芽を切ったりしながら見て回るころには、色着き良いなあって感がしていたんですけど、
いざ採ろうとすると、もうちょっと赤い粒があるなあ、という気がして、なかなか採れなかったりしてました。
8月になるころには、黒い粒ばかりの房は、発送するのも不安になり、
赤っぽい粒も美味しくなりましたから、収穫量が増えてきました。
今年も、昨年に続いて、新聞折込チラシは入れない予定です。
昨年は、巨峰が少なくて、足りなくて、お盆に店を閉めた日が数日ありました。
昨年よりは、地方発送に使えそうな房も多いとは思いますけど、
チラシを出して、お客さんを呼んどいて、
「ぶどうが足りないです。」と言うのは、如何なものかと思うのです。
そして、経費です。
ほんの少しづつですけど、スタッフの給金も上げたかったですし、
薬、肥料、ビニール、箱などの資材代は、容赦なく上がってきてます。
ぶどう作りを続けていくために、ぶどうの代金も、少しづつ値上げさせてもらいましたけど、
広告予算は、無くなってしまってます。
いつも記事として載せて下さる雑誌社の方からも、
早い時期から、ぶどう狩り記事の内容確認依頼がありましたし、
団体のお客さんからの問い合わせもあったんですけど、
今年も、ぶどう狩りは受けずに、販売、地方発送だけにすることに決めました。
家族、スタッフ、まわりに、コロナの重症化リスクの高い高齢者が多いってこともありますけど、
昼間の暑い時間帯に、マスクして園内に入って行って、案内して回るスタッフの熱中症が心配になりました。
必要以上に無理することを避けて、ちょっとでも長く、ぶどう園を続けられたらと思います。
一昨年のぶどう園便りから書いてる新品種のヌーベルローズ、マスカサーティーンは、
昨年、数十房くらい、収穫ありました。
粒、房も小さかったですし、値段も決めていなかったので、
スタッフ、スタッフの家族に味見してもらっただけで無くなってしまいました。
評判は、良かったです。
今年は、多少は房数も増えましたし、粒も、少しは大きくなってきてます。
この2つの品種は、残していって、量産化するつもりでいますから、
枝が充実するように、周りの巨峰の古木を間伐しました。
新品種の房数は少ないので、今年は、この辺りの収穫量が少なくなりますが、
来年以降は、しっかりした樹形になって、少しづつ多くの実をつけるようになると思います。
今年の春も、巨峰、シャインマスカットなど、いつもの苗木を植えました。
巨峰は、弱ってきた巨峰の古木の跡継ぎとして、
シャインマスカットは、ビニールをはったり、はいだりが難しくなってきた巨峰の後継にするかもしれないと考えて、
植えました。
それと、初めての品種、紫玉の苗木を植えました。
粒が小さいけど色着き良く、早熟な巨峰ってイメージの品種です。
種無し巨峰を作ってるあたりに植えて、紫玉に切り替えようと思ってます。
種無し巨峰は、それなりの美味しさになるんですけど、
種有の巨峰と食べ比べられてしまって、なかなか収穫しづらくなってしまってます。
見た目が同じようでも、品種名が違えば、味が違っても納得というか、
食べ比べられることがなくて、売りやすいのかなあという期待もあります。
地元のお客さんは、巨峰が一番食べやすい、食べた感じがする、と、一番人気です。
でも、巨峰は、ビニールをはりっぱなしでは、着色に不安があります。
毎年、ビニールはったり、はいだりを、同じメンバーで、なんとかやってきているんですけど、
少しづつは高齢化もすすんできてますし、
介護しながらの自分の体力に合わせたぶどう作りを考えると、
ビニールをはりっぱなしにしておける品種の面積を増やすように考えて、毎年、苗木を植えてます。
新しい種無し品種への切り替えってこともあって、
剪定が難しい巨峰の古木を、たくさん間伐しましたから、剪定が、少しだけ早い時期に終わりました。
おかげで、何年かぶりに、本園無加温ハウスの巨峰の花が咲く前に、新枝の誘引作業を行うことができました。
枝葉が重ならないように、陽射しが通るように、枝の配置を変えたり、
強い枝の枝先を、ぶどう棚の下に垂らしたりします。
花が咲くときに、枝に栄養が行かずに、花に栄養が行って、種の入った粒が多くなり、
粒間引き後も、房型の良いものがたくさんできました。
花が咲く時期が遅い分園トンネルハウスの巨峰も、花が咲く前に誘引作業を行うことができました。
それと、あんまり新芽が伸びないように、早い時期に水撒きを止めてしまいました。
花が咲いた頃には、地面が、カラカラに乾いてました。
それでも元気良く枝が伸びすぎるところはあったんですけど、昨年よりは、種の入った粒が多かったです。
粒間引き後も、良い房型のものが、たくさんできました。
ただ、色着きは、どうかなあという感じがしてます。
房型が大きいことと、色着き始めの時期だったか、雨も多かったので、
枝が伸びたり、実が太ったりする方向に栄養が使われた気がします。
ビニールをはいだ後は、着色の進みが加速すると思いますし、
脇芽を切り落として、房や房の上の葉に陽射しが当たるようにしたり、
収穫中も畑に行って、頑張って、なんとか着色させたいです。
シャインマスカットなど、ジベ処理する品種は、
花が満開を過ぎた後に、1回目のジベ処理(種抜き処理)をして、
数日してから粒間引きをして、
1回目ジベ処理から15日経過する前に2回目のジベ処理(肥大処理)をします。
種有巨峰に比べると、花が咲いた後の日程がタイトで、面積を増やせないのです。
15日経過前に2回目ジベ処理をしてから粒間引きするって方法もありますが、
2回目ジベ処理で急に粒が大きくなると、粒と粒の隙間が無くなって、
ハサミが入らなくて、かなり苦労します。
昨年まで、この15日間が、間に合わないことが多かったんですけど、
今年は、種有巨峰の粒間引きをほったらかしにして、種無しぶどうの仕事を優先て頑張ってもらいました。
朝一番、少しでも気温の低い時間帯にって、スタッフみんなで、ぶどうを採りに行きます。
巨峰は、袋の下から色を見て採ります。
シャインマスカットなどの白ブドウは、一番下の粒を切り落として、糖度計で計って、
糖度が足りてれば採りますし、足りてなければ採らずに、他を探します。
数日後に、また糖度を計り、足りてれば採ります。
スタッフ自身も、買ったり、伝票書いて宅急便で送ったりもしますから、
作って売る立場の感覚と、買う立場の感覚と、両方があります。
巨峰を採るときには、「収穫開始したばかりの今の時期だと、もちょっと色着きほしい。」と考えたり、
シャインマスカットを、食べたり、糖度計で計ったりしながら採るときには、
「もちょっと糖度があってほしい」と考えたりして、なかなか採れない朝もあります。
個人差はありますけど、作って売るだけの僕よりも、お客さんの感覚に近いものがあると思います。
スタッフの友達ってお客さんも多いです。
受付、会計で、お客さんと話をして、見知ってるお客さんがほとんどで、
できれば自慢できるものを採って詰めて、次回来られてたときに、「喜ばれた。」のような話をしたいのです。
それに、一年間、管理作業をやってきてるスタッフですから、
できることなら、少しでも美味しくなるまで待ってから採りたい、
って気持ちも強いです。
最近の温暖化もあって、なかなか色着かなくなってるのは、よく聞く話です。
以前と比べると、生らせる房数を減らしたり、
収穫時期に入ってからも、畑で枝管理を続けたり、
いろいろと工夫しているんですけど、なかなか、お客さんの希望された日付通りには、
採ることができなくて、発送も遅れがちになってしまいます。
数年前までは、お客さんに、「お盆には、ぶどうが必要だ。
色着いてなくても美味しければ、それで良いから。」と言われて、
完売まで、休み無しで、緑っぽい巨峰まで、収穫を続けてましたけど、
昨年のお盆期間中は、スタッフから、「もうちょっと待てば色着いてくるかもしれない。
色着いてから収穫したい。」って意見が多くて、
朝採って来たぶどうが売り切れた後は、午後、店を閉めてました。
台風の心配もありますから、さっさと収穫して、発送してしまいたい気持ちもありますし、
「色薄くても、とにかく巨峰を。」ってお客さんもいらっしゃるとは思いますが、
一年中作業しているスタッフのモチベーションも、大事にしたいと思います。
注文に来られたお客さんには、着色、糖度、台風状況など、すぐには発送できないこともあるってことを、
できるだけお話するんですけど、
お客さんの目の前で選別作業をしていることもあって、ぶどうはいつでもある、という感覚の方もいらっしゃるようで、
「昨日、注文に行ったのに、まだ届かない。」と、夜中、早朝に言ってこられることがあり、
「言った。」、「言わない」の口論をしても、疲れるだけなので、何も言いませんけど、
ちょっと、「なんだかなあ。」なのです。
でもって、もう来られないだろうと思っているんですけど、
次の年、また注文に来られたりして、再び「なんだかなあ。」なのです。
これを読まれるのは、お届け先の方々が多いので、
「ここに書かれてもなあ。私らに言われてもなあ。」、なんでしょうけどね^^;。
他にも、「マスカットノワールが5房くらい生ったので、ときどき味見してます。」、
「本園のロザリオビアンコは、今年の収穫後に移植予定で、来年からは分園だけになります。」、
「本園無加温ハウスの赤嶺を間伐したので、今年の赤嶺は、分園トンネルハウスと本園テラスだけで、
いつもより収穫開始時期が遅くなります。」という話も詳しく書きたかったのですが、
これ以上、文字を小さくすると読んでもらえなくなりますから、
ホームページの中のぶどう園日記をご覧ください。