ぶどう狩り・産地直売・地方発送
山門ぶどう園便り 2022年7月31日
山 門 ぶ ど う 園
〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
TEL 0996−62−1571
FAX 0996−62−4450
http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/ 「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
○ 巨峰(種有り/種無し)
・・ 7月下旬〜9月
○ ロザリオビアンコ(マスカット)
・・ 8月〜11月
○ セキレイ(赤嶺)
・・ 9月〜12月
○ シャインマスカット
・・ 8月〜9月
売場に、僕(園主)は居ませんし、新聞折込チラシも出していないんですけど、
7月23日(土曜日)くらいから、ボチボチと収穫を始めてます。
最初は、色着き具合を見て回って、色着いたのがあれば印を付けるだけのつもりでしたけど、
色着いた房が、けっこうありましたし、食べたいというお客さんも来られましたから、
販売を始めました。
いつも記事として載せてく下さる雑誌社の方からも、
早い時期から、ぶどう狩り記事の内容確認依頼が来ていましたし、
団体のお客さんからの問い合わせもあったんですけど、
ぶどう狩り、するか、しないか、なかなか決められずにいました。
そろそろ決めないとってことで、収穫直前頃に、スタッフみんなと話し合いをして、
今年も、ぶどう狩りは受けずに、販売、地方発送だけにすることに決めました。
ぶどう狩りの案内は、「これどうですか?。」って、一緒に袋の中を覗き込んだり、
距離が近くなりますから、重症化リスクの高い高齢者と一緒に暮らしてるスタッフにとっては、
感染リスクが気になりますし、
昼間の暑い時間帯に、マスクして園内に入って行って歩き回るのは、熱中症も心配になります。
職場の家族会の行事でぶどう狩りを企画したいとか、
「子供夫婦が孫を連れて帰ってくるので、ぶどう狩りをさせたい。」というような問い合わせも、
けっこうあったんですけど、
来年以降、重症化リスクという言葉が使われなくなるまで、待ちたいと思います。
シャインマスカットなど、巨峰よりも晩生のぶどうの管理作業もありますから、
7月までに作り終わって、後は収穫だけ、ってわけにはいかないです。
毎日、畑の中で頑張ってます。
ここ半年くらいは、パソコンが壊れかかってたこともあって、
ホームページのぶどう園日記も更新せずに、畑仕事と介護と、頑張ってきたんですけど、
お客さんと話すという機会が減ってきているだけに、
一年に一枚だけ、このA4用紙一枚のぶどう園便りだけは、なんとしても書きたいなあと思ってましたから、
とうとう動かなくなくなったパソコンをあきらめて、
昨年12月に買って、箱に入ったままだったパソコンを取り出して、
何日もかけてインストール作業して、やっと書き始めました。
昨年のぶどう園便りに書いた新品種のヌーベルローズ、マスカサーティーンは、
花芽が着いていた木があったので、
2房〜10房くらいづつ、それぞれ、花を咲かせて、ジベ処理して、袋掛けしました。
若木のうちは、枝を作るのを優先して、実を生らせない方が良いって意見も多いですけど、
実物を見てみないことには、周りの木を切って若木を残すかどうか、思い切りがつかないのです。
何もないところに植えれば、枝もまっすぐに伸ばせて、きれいな樹形になるんだろうなあと思いながらも、
今年の収入も必要ですから、枝先は、巨峰の枝葉に埋もれれてしまってます。
最近の畑の中の主な仕事は、強い枝の先を切ったり、垂らしたり、脇芽を切ったりという摘心なんですけど、
2年目若木のマスカサーティーン、ヌーベルローズの近くを通ったときには、袋を開けて、
着色具合を見たり、食べてみたり、してます。
マスカサーティーンは、透明感のある緑色で、甘味が強い感じです。
ヌーベルローズも、紅系ぶどうは着色が難しいから、どうだかなあ、
クイーンニーナで着色に苦労してるしなあ、と思いながら植えたんですけど、
今のところは、鮮やかに色着いてますし、さわやかに甘い感じです。
2年目の若木ですから、両方とも粒が小くて、
そのせいか、皮が伸びていないのか、皮ごと食べるには皮が固い、厚い感じです。
本園の巨峰の木を切って、この2品種に置き換えるのなら、
巨峰の収穫時期くらいに、せめて8月初めに収穫できるような品種でないと、という条件もあるもんですから、
なかなか悩ましいです。
今現在、甘いですから、シャインマスカットよりも早く収穫できるかもしれない、という気配はあるのです。
今年、本園無加温ハウスの巨峰は、花が咲いたころには、
雰囲気は悪くないような気がしていたんですけど、
咲き終わって見ると、単為結果と言われる種の入っていない粒、大きくならない粒が着いたのが多かったです。
種の入った粒が15粒とかあれば、小粒を間引いて、袋をかけましたけど、
種の入った粒が少ないときは、摘果(切り落とす)したり、
枝が太いときは、枝の成長に負荷をかけるために、そのまま袋をかけました。
小粒混じりでも甘くて美味しい、食べやすいですから、
たくさん買って下さった方とか、お子様連れの方々に、オマケとして差し上げたりします。
贈答用にならない房は、全部、切り落としてしまえば、残った房に栄養が行って、粒が大きくなったりもするんですけど、
余った栄養を、脇芽、枝の成長に使われたりすると、
陽当たり悪くなって着色しづらくなりますし、、
枝が太くなりすぎて、来年の種枝として使える枝がなくなったりしてしまいますから、
ある程度の負荷を残します。
花が咲く時期が遅い分園トンネルハウスの巨峰も、種のない粒が多い木もあったので、
同じように摘果、粒間引き、袋かけしました。
種が入った房の多い木もありますけど、
全体見渡すと、箱詰めして販売できるような房の数は少ないかなあ、という気がしています。
シャインマスカットは、ミイラみたいに水分が抜けて枯れてしまう、
縮果症と呼ばれているような状態になる粒が少なくなってきました。
3年目、4年目の若木の頃までは、粒間引きのときに40粒くらい残してた房が、
縮果症で粒が枯れ落ちてしまって、5粒くらいしか残らなかったり、かなり苦労してました。
植えてからの年数が経って、木が育って安定してきたこと、
2回目ジベ処理の後は、粒に水が回って軟らかくなってくるまで、枝を切らないようにしたこと、
ビニールを取り換えずに、汚れたままにして、強い日差しが当たらないようにしてること、
水回り前までは、房の上を葉っぱが覆って、直射日光が当たらないようにして、
水回りの後は、収穫を目指して、長い枝や脇芽を切って、日差しの通りを良くするようにしたこと、
いろいろな対策をやってきて、どれかが当たっていたんだろうと思います。
水回り時期まで、枝葉の成長に養分が使われてたり、
日差しが当たりにくいことで、収穫時期が遅くなってしまったりしてるかもしれないですけど、
まだまだ改善の余地はあると思いますけど、
とりあえず、まとまった形をした房も収穫できるようになりました。
とは言え、収穫するときには、一番下の粒を切り落として、糖度計で測って、合格すれば採りますから、
不合格なら、数日してから、また一粒切り落として、糖度計で測りますから、
完全に綺麗な形で販売するってことには、なかなか、ならないんです。
光センサーの糖度計もありますけど、値段が高かったですし、普通の糖度計と数値が違いましたし、
今の機種では、信用して使う気にはならないです。
シャインマスカットと同じビニールハウスの中のロザリオビアンコは、今年も木を残して、作りました。
昨年同様に、種無しにする薬をかけるときには、境にビニールをたらしたりなど手間をかけましたけど、
境目辺りのロザリオビアンコは、種無しになってしまいました。
それに、シャインマスカットをジベ処理するときには、樹勢を強くするために、木の周りに多量の水をまくんですけど、
隣に植えてあるロザリオビアンコは、まだ花が咲く直前くらいの時期で、
弱らせないといけない時期で、水をまくわけいはいかないので、
ホースを引っ張って行って、シャインマスカットの周りだけに水をまいたり、体力、時間がかかります。
暖房も、二重ハウスもしていないので、晩生のロザリオビアンコは、お盆前の収穫は難しそうで、
シャインマスカットなど、種無し品種に更新するべきかなあと考えてます。
皮ごと食べる黒色種無しぶどうが、そろそろ必要だろうけど、まだ植えてないので、
ロザリオビアンコの代わりに植えようと、カタログを見ながら考えて、
裂果が無いと書いてあるマスカットノワールの苗木を植えてみました。
シャインマスカットの子供世代ではあるんですけど、
このあたりで着色するのか、食感とか好みに合うか、心配もありますから、
隣には、すぐに交代できるように、シャインマスカットの苗木も植えました。
この苗木が育ってくれば、本園無加温ハウスのロザリオビアンコは切ってしまって、
分園のトンネルハウスだけで、「お盆前収穫」を気にせずに作り続けます。
毎年、収穫を始めてから数日経った頃、7月末頃に、新聞折込チラシを入れていました。
「チラシが出るのを待ってました。」って声も、よく聞いてました。
ここ何年も、ずっと考えてはいたんですけど、今年は、チラシを入れないことにしようと思います。
今年は、巨峰の房型が小さいものが多いので、
お盆までに販売できる巨峰の量が少なそうな気がするものですから、
チラシを出して、お客さんを呼んどいて、
「発送できるぶどうが足りないです。」と言うのは、如何なものかと思うのです。
そして、一番の理由は、経費です。
ほんの少しづつですけど、スタッフの給金も上げてきましたし、
ビニール代、箱代などの資材代は、容赦なく上がってきてます。
ぶどう作りを続けていくために、ぶどうの代金も、少し値上げさせてもらいましたけど、
広告料金30万円弱を節約したいと思います。
折込チラシを待ってらっしゃる方には申し訳ないんですけど、
この時期になったら、なんとか思い出して、買いに来ていただきたいと思います。
7月中旬のビニールはぎは、早朝5時に集まってもらって、
できるだけ熱くない時間帯にしようと、毎年、頑張ってもらってます。
頑張ってくれてるのは、「白寿になった」とおっしゃるお兄さん達と、うちのスタッフのお姉さん達です。
2月にビニールをはるときには、風の吹かないうちにって、朝6時には集まってもらって、やってますし、
体力、時間、要領が必要な仕事です。
ビニールはりっぱなしにするシャインマスカットなどは、数年に一度のビニールはり、ビニール剥ぎですけど、
巨峰は、毎年、ビニールをはったり、はいだりを繰り返しますから、
こういう仕事を考えると、シャインマスカットなどよりも、種有り巨峰の方を、高い値段に設定したいくらいです。
他のぶどう園さんを見ても、種あり巨峰は、実が着いたり、着かなかったりで、
確実性がなくて、種無し品種に植え替えてるところが多くて、
「巨峰は、どこにでもあるから。」と言われるお客さんもありますが、
実は、種有り巨峰の方が珍しくなってきてると思うのです。
そして、近い将来的には、種あり巨峰って、もっともっと希少価値になりそうです。
と言ってる当園でも、ビニールをはったり、はいだりに来てくれてる方々が来れなくなったら、
ビニールハウスの上に登って歩くことができなくなったら、
種あり巨峰は、作れなくなってしまうかもしれません。
今のうちに、お召し上がりください。
今年から始めたのが、接木です。
他のぶどう園さん達は、ずいぶん前からやってるとこもあって、けっこう流行ってます。
成木になってて、収穫してるぶどうの木の枝に、違う品種の枝を接木して育てることで、
苗木から育てるのと比べると、根っこは十分に伸びてるわけですから、
収穫開始までの年数を短縮できるのです。
ただ、根っこ部分の台木に、目的の品種の枝を接木して作った苗木と比べると、
台木に、古い品種が接木されて伸びた枝(中間台木)の先に、目的の品種が接木されてるので、
古い品種の性質が混ざるんじゃないか、って考え方もあります。
性質が混ざるのも、悪いことばかりではなくて、収穫時期が早まったり、良い方に転ぶこともあるみたいです。
違う品種を接木するばかりではなくて、同じ品種を接木することもあります。
同じ品種でも、木によって、粒が大きくなったり、着色良かったり、甘味が強かったり、早熟だったり、
良い特徴の木があれば、その木の枝を、調子が悪い木に接木して、
その枝を伸ばして、元々の枝を全て切ってしまえば、調子の良い木のコピーができる、という考え方です。
もっとも、良い実ができるかどうかは、その場所の土や、根っこの状態によっても変わってきますから、
良い木のコピーを作ったつもりだったけど、ダメだった、ってことはあるようです。
YouTube動画を見ながら、登熟枝を接木したり、緑枝接ぎしたり、練習だと思って、何か所も接木しましたが、
なかなかどうして、簡単に接がれるもんではないようですけど、
接がれた枝で、ちゃんとした実を育てられるのかも含めて、試すことは続けていきたいと思います。