ぶどう狩り・産地直売・地方発送
山門ぶどう園便り 2016年7月26日
出水市観光協会推薦
山 門 ぶ ど う 園
〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
TEL 0996−62−1571
FAX 0996−62−4450
http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/ 「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
○ 巨峰
・・ 7月下旬〜9月
○ ロザリオビアンコ(マスカット)
・・ 8月〜11月
○ セキレイ(赤嶺)
・・ 9月〜12月
○ シャインマスカット
・・ 8月〜9月
昨年は、苗木を植えたり、種無し品種を増やしたり、
畑の近くで高速道路用地の盛り土工事が始まったり、
新しいことも、上手くいったことも、たくさんありましたけど、
梅雨、日照り、台風という、あんまり良くない記憶ばかりが残った一年でした。
気を取り直して、ビニールハウスの鉄骨の修理、ビニールはりの準備、
剪定、肥料撒きなど、大晦日まで頑張ってました。
ロザリオビアンコと赤嶺は、ビニールをはりっぱなしにしているんですけど、
台風で、網が引きちぎられて、ビニールが破れて、散り散りになってしまいましたから、
全部のビニールをはりかえることになってしまって、
ビニールはりの仕事量も多かったですし、
ビニール代の請求書の金額も、大きかったです。
看板、テラスは、業者さんが忙しかったこともあって、今年の収穫前頃になって、やっと修理できました。
1月14日には、「大雪になる。」って天気予報でしたけど、ホントに大雪で、
ぶどう園の中は、どこを見ても、真っ白な景色でした。
信州のぶどう園さんの写真で、雪景色の中で剪定しているところを見たことがあります。
あちらでは、普通の風景かもしれないですけど、
まさか、こちらでも雪が積もった景色の中で剪定するとは思ってませんでした。
「雪が降り積もって、ぶどうは大丈夫...?。」って訊かれることありましたけど、
この時期のぶどうにとっての雪は、影響は無いハズなのです。
ぶどうには、寒い時期の休眠期間が必要で、秋冬に暖かい日ばかりだと心配になるくらいです。
それに、雪や霜などの寒さで、病原菌や害虫が越冬できずに居なくなってくれれば、って期待してるくらいです。
ぶどうは大丈夫なんですけど、
雪の重みでつぶれたビニールハウス、ってニュース映像を見たことがありますから、
ちょっと早めにビニールを被せたロザリオビアンコのハウスが、心配になりました。
以前も、ビニールハウスに雪が積もったことはあったんですけど、今年みたいに積もったことはなかったのです。
暖房機があれば、ビニールハウスを閉めきって、暖房焚いて、雪を溶かすってのが良い方法なんですけど、
そんなものは無いので、谷を開けて、雪が滑り落ちるようにしました。
でも、網が抵抗になるのか、傾斜が緩いのか、なかなか雪が落ちてこないで、積もる一方だったのです。
「この南国で、雪でビニールハウスを潰されたなんて言ったら、いい笑いもんだ。」ってことで、
長い棒で雪をかき落としたりしたんですけど、棒がとどかない高いとこに、どんどん積もります。
結局、ポンチョ着て、手袋して、スコップ持って、普通のスコップ持って、谷に上がって、雪かきしました。
体は温まって汗かきますけど、手はかじかんできて、感覚がなくなって、
それでも、夕暮れまで頑張りました。
頭の中は、ユーミンさんのブリザートブリザード♪がリピートしてました。
でも、全部の雪をおろすことはできなかったです。
幸いにも、夜には、あんまり降らなくなって、翌朝になっても、ビニールハウスは無事でした。
移動距離10mくらいづつではあるんですけど、赤嶺を間伐した辺りに、シャインマスカットを、2本、移植しました。
まずは、植える場所に、半径1mちょっと、スコップよりも長いくらいの半径で、深さ20cmくらいの穴を掘ります。
次に、移植する樹の回りを、植える場所と同じくらいの半径で、外回りを掘ってから、
深さ30cm〜50cmくらい、樹の下の方というか、根の下の方というか、掘って、掘って、ひたすら掘って、
根っこが全部見えて、樹を持ち上げることができれば、掘るのは終わりです。
4人で樹を持ち上げて、枝が折れないように気を付けながら植える場所に運び、
最初に掘った穴に据えて、紐で、枝を、ぶどう棚に取り付けます。
根っこが見えないくらいに土で埋めて、水をたっぷりまいて土と根っこを馴染ませた後、
回りと同じくらいの高さになるように土で埋めます。
根っこを、できるだけたくさん付けた状態で移植したいんですけど、
3年目、4年目の樹でも、根っこは、土の中で何メートル伸びてるか分からないってくらいに伸びてますし、
全部の根を掘り出すのは、体力的に無理で、決めた長さで根っこを切りながら掘り出してるので、
根っこを切ったのに見合った分だけ、枝も短く切り縮めます。
最後に、土の上に藁を敷けば、移植ミッション完了です。
枯れずに生きついてくれました。
分園のトンネルハウスにビニールをはった後に、本園のシャインマスカットを、4本、掘り出して、
トラックに載せて分園に運び、巨峰の中に、赤嶺の隣の列に植えました。
この列には、今回移植したシャインマスカットの他に、
来年の春には、シャインマスカットの苗木を植える予定です。
シャインマスカットが育てば、占有棚面積が増えれば、巨峰が減ることになるんですけど、
台風対策で、ビニールをはりっぱなしで収穫できる品種を増やそう、
という計画をすすめてます。
昨年の台風被害が、ダメになった巨峰の量が、金額が、精神的ダメージが、大き過ぎました。
品種は、シャインマスカットを中心に考えて、注文してあるんですけど、
赤嶺の日焼け、縮果病、なんだか分からない症状を克服できないときは、
赤嶺を植えてある場所に、他の赤系の時期の遅いぶどうを植えて育てることも考えないとね、という課題もあります。
二重ハウスのシャインマスカットの日焼けには、粒の表面温度、陽射しの強さも、少しは影響してるんだろうかと思って、
試しに、10房程度だったか、A4コピー用紙で、日傘を付けてみました。
「日焼け」とは言ってますけど、房の一番上の粒じゃなくて、真ん中くらいの粒がやられたりしてますから、
陽射しが当たる、当たらないの問題だけではない、とは思うんですけど、
ま、藁をも掴む、って感じです。
今年も、酷くはないんですけど、やっぱり、日焼け、縮果病みたいなのがでてました。
偶然とか、時期的なものとか、気のせいとか、かもしれないんですけど、
日焼けした粒を切り落として、A4コピー用紙で日傘付けた房は、
その後は、日焼け粒が出てこなかった、ように思います。
二重ハウスのロザリオビアンコにも、同じように日焼けがでてきてしまったので、
日焼けした粒を切り落として、
同じように日傘を付けたんですけど、こちらは、さらに日焼けがでてきてました。
粒が、カリカリ状態から軟くなってくる水回り時期になると、粒の中に水分が多くなって、
日焼けが起きにくくなると言われてますから、
やっぱり、その時期になるまで、じーっと待つしかないのかもしれないです。
分園トンネルハウスの赤嶺は、房型良く実どまりした房が多くて、
切り落としたくないなあ、摘果したくないなあ、って感じでしたが、
このままでは重量があり過ぎて、樹が弱りそうですから、
1枝に1房以下になるように、何日間かかけて、徐々に切り落として、房数を減らしました。
そしたら、徐々に、朱色、茶色の点々が出てきたり、凹んだりしてるのが、何粒も現れてきました。
点々から割れてしまうわけでもなく、汁がでるわけでもないので、
病気ではなくて、生理的な問題、日焼け、打ち身、そんな感じだろうかと思うんですけど、
どうにも気になります。
種の入ってない小粒に、この点々ができるんだったら、
どうせ粒間引きしてしまいますから、問題ないんですけど、
残すはずの粒に、種の入ってる大きい粒に点々が入ってるのです。
そんな粒は、間引いてしまわないといけないんですけど、
あんまりたくさんあると、手間もかかりますし、房も小さくなりますし、
ここ数年、赤嶺には悩まされます。
今年は、急激に間引かずに、徐々に、あっちこっち間引いたので、ショックが少なくて良かったのか、
後から後から出てくる、ってことがなくて、
昨年よりも良い房型のまま、袋かけまですることができました。
収穫は、まだまだ先ですから、この先も何かあるかもしれないですけど、
とりあえず、一安心です。
昨年の6月は、晴れた日、雨が降らなかった日は、2、3日くらいでしたが、
今年は、晴れ間がありました。
気温が高すぎて、巨峰、ロザリオ、赤嶺、シャインマスカット、
どれもこれも、少しづつは日焼けした粒がありました。
水回り時期(固かったぶどうの粒が、水分多くなって、軟らかくなる時期)になると、
多少陽射しが強くても、粒の日焼けの心配はなくなるんですけど、
梅雨明けころになると、ビニールハウス内の温度も、急激に上がって、
粒は無事でも、葉っぱが焦げてしまうことがあります。
葉っぱが焦げないように、温度を下げるために谷換気を広く開けると、
カラスが入り込みやすくなるみたいで、
ビニールをはってる時期にしては珍しく、果袋を食い破られて、中身も食べられてました。
今年の梅雨は、大量の雨が集中的に降ってましたけど、
昨年と違って、途中、梅雨のわりには天気が良い日がありましたから、
巨峰の色づきも早かったんです。
でも、梅雨があけないと、ビニールをとれなくて、
(ビニールをとった直後に、大雨が降ると、パッチンパッチン、割れてしまいます。)、
収穫を始められないでいました。
10日間天気予報が、雨予報が続いているのを見てると、ビニールはりっぱなしで収穫を始めようか、
ということも考えましたけど、
やっぱり陽射しを当てないと収穫の気分にならない、ってことで、ビニールをとることにしました。
天気予報通りだと、小雨の中でのビニールはずしと思っていたんですけど、
陽射しの強い、熱い日になってしまって、
熱中症一歩手前で、木陰で休憩しててもらったスタッフもいました。
そして、夕方には、「梅雨明け」がニュースになってました。
7月21日から、巨峰の収穫を始めました。
本園の巨峰は、早い時期から色着いてましたから、採り始めたときから、けっこう甘かったです。
でも、房数(袋数)は、昨年よりも1割くらい少ないですから、
お盆前には無くなってしまうかもしれないのです。
そのときに、収穫、販売を中断しなくても良いように、
分園の巨峰も早く色着くように、脇芽を切り落として陽当たり良くしたり、
早朝などの時間帯に頑張ってます。