ぶどう狩り・産地直売・地方発送                             山門ぶどう園便り 2015年8月1日
出水市観光協会推薦     山 門 ぶ ど う 園
  〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
  TEL 0996−62−1571    FAX 0996−62−4450
  http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/  「山門ぶどう園」と入力して検索できます。
    ○ 巨峰              ・・ 7月中旬〜9月
    ○ ロザリオビアンコ(マスカット)  ・・ 8月〜11月
    ○ セキレイ(赤嶺)        ・・ 9月〜12月
    ○ シャインマスカット       ・・ 8月〜9月

 昨年秋に、巨峰の苗木を20本くらい、注文しました。 年末に、宅急便で送られて来ましたから、そのまま、土の中に仮植え、埋めておきました。 それを、2月中旬、ビニールはりが終わって、霜の心配がなくなってから、 掘り起こして、本園と分園に植えました。 昨年植えた苗木のうちの1本は、新芽が出た後に、そのまま枯れてしまいましたから、 必要な本数よりも、多めの本数を注文してはあるんですけど、故障の見えてきた古木もありますから、 今年は、全部育ってほしいものです。 苗木は、植えた場所で、成木になっても残り続けるのは、ほんの一部で、 2、3年育ててから、古木を間伐する場所に移植したり、 何年か成長してるうちに、隣の木も成長してきて、枝が重なってきて、 棚スペースを確保できなくなって、切られて抜かれてしまったりするのが多いのです。

 今年の本園の巨峰は、実どまりが良くて、1房あたりの粒の着き方が多かったのです。 ですから、重量過多にならないように、 昨年よりも少ないくらいの房数になるように切り落としました。 粒の数のわりには、軸が短くて、詰まりすぎてしまって、 ハサミを入れ難くて、粒間引きに時間がかかってしまいましたが、 房型良いものにできました。 粒間引きしてから袋かけまでは、昼間は天気が良くて、夜は冷え込んでましたから、 早くから色着き始めて、鳥に食べられてしまうことがあったので、大急ぎで袋かけしました。
 袋かけの後、6月は、雨ばかりの日々でした。 雨量的には、そんなでもなかったかもしれないんですけど、 雨降りの日数が多かったです。 ビニールハウスの中には、直接は雨が入らないんですけど、 そこらじゅうが湿気でいっぱいで、土も乾かず、 水気を根から吸うんだか、葉っぱから吸うんだか、 肥料も水もやってないのに、だんだんと粒が大きくなってきます。 ってとこで、止まってくれれば良いんですけど、 袋の中で、粒がはじけて、割れて、水分が増えたところにカビが生えて、 袋が汚れてから、異常に気が付いて、 袋を取り外して、割れたり、カビたりしてる粒を切り落として、袋を取り替えました。 全体の袋数からすると、たいした枚数ではないのですが、 果袋がはってくるくらいに良い房型だっただけに、残念で、悲しいです。 粒が多かった房で、ダメになったのが1粒、2粒であれば、減った分だけ、周りの粒が大きくなって、 見栄えは良いままかな、って思います。 でも、残った粒が大きくなっても、埋めきらないくらいに隙間が空くこともありますし、 下半分を切り落としてしまうこともあります。 バラ房になっても、最後まで生き残ってくれれば、試食用にはなります。
 粒が割れたりカビたりするのを止めるには、ビニールはいで、お日様にあてて乾燥させることしかないです。 週間天気予報では、晴れる日が続くってことがなくて、 台風が通過するまでは、ビニールをはがせなかったりで、 ずいぶんと遅くなりましたけど、 台風11号が通り過ぎようとしてるときに、ビニールをはぎました。 その後、数日は、雨も降りましたけど、 果袋の中も乾いてきたようで、 ひび割れた粒、カビた粒は、ポロポロと落ちてしまったようです。 カンカン照り続きではなかったですけど、 ビニールをはいで直射日光に当てれたってことで、 いつもよりも一週間遅れでしたけど、なんとか収穫を始めることができました。
 6月が、あんな天気だったものですから、風評被害じゃないですけど、 「今年のぶどうは、どうなの...?。」って言われて、試食をだすことがあります。 酸味が強いときが好みの方もいらっしゃるので、 毎年、酸味混じりの味のうちに収穫を始めて、 だんだんと酸味がなくなってくるものなんで、そんな説明をするんですけど、 収穫始めから「甘い」と言われると、「すぐに過熟状態になって、落ちてしまうんじゃないだろうか。」って不安になります。

 昨年のぶどう園便りで紹介した天山は、一昨年に続いて、昨年も割れてしまいました。 二重ハウス、無加温ハウス、そして、分園のトンネルハウス、 環境によって違いがでるんじゃないかって、あっちこっちに植えてましたけど、 どれもこれも、割れてしまいました。  天山の苗木を植えてから、3年間だったと思いますが、 「手が足りない。時間が足りない。」と言いながらも、「大粒のぶどうを。」って、 頑張って手入れしてきましたけど、 実を生らせるようになってからの2年間の結果は、 粒が割れてばかりで、どうにもならない、ってことで、 植えてあった天山は、全て切って、抜かれてしまいました。 代わりに、昨年の春に植えたリザマート、シャイニーレディー、バラデイの苗木が成長して、 今年、実を生らせましたから、 これらの手入れに力を入れてみます。

 リザマートは、20年くらい前まで、本園テラスの下に植えていた品種で、 天山と同じように、割れやすいことで有名です。 粒が太り始めて、水回り時期が近付いた頃になって、粒の表面に妙な模様が出てきて、 その数日後には、ぱっくり割れてしまって、まるで、天山のデジャブーを見てるかのようでした。 全部の袋の中身を見たわけではないんですけど、ほとんどの房が、シワシワになってしまってました。 やっぱり、難しい品種です。

 シャイニーレディーは、早くから色着いてきて、鳥に食べられたので、 急いで袋かけしたのですが、 さらに色濃くなってきているのが、袋の外から透けて見えるくらいです。 色着き始めたころ、赤嶺なら、この色くらいで美味しいけどねえ、ってころに食べてみたときには、 酸っぱいような、味が薄いような、だったんです。 でも、巨峰の収穫が始まった頃に食べてみると、カリッと食べたときには、果汁を感じられないくらいだったんですけど、 2回、3回と噛んでると、なんだか甘みを感じられて、 他のぶどうを食べるのとは、ちょっと違った感覚でした。 カタログでは、全体的に黒っぽくなるみたいで、 そうなったときに、どんな味になるのかなあ、 その前に割れたりしなきゃ良いけど、って期待と不安です。 楕円形というよりも、長細い粒ですから、発送には向いてないのかもしれません。

 今から来年の話ってのもなんですけど、 来年は、2本くらいの巨峰を、種抜き処理してみようか、って話があります。 以前、ピオーネや高妻など、巨峰と似たような品種を、種抜き処理したことはあったんです。 種は、ちゃんと抜けたんですけど、果肉が固いような、ジューシー感が無いようなで、 種有の巨峰と食べ比べてもらうと、巨峰の方が人気があったものですから、 種無しぶどうはあきらめて、木を切ってしまったんでした。 種無しぶどうの需要はあるような気もするんですけど、 やるとなると、今のシャインマスカットもそうですけど、 種抜き処理の仕事が増えて、何回も脇芽を切り落として回る仕事も増えて、 大変だなあ、どうしようかなあ、って、ちょっと思案中です。

(8月14日追加)
 案の定と言いますか、最初っから「甘い」と言われた不安が当たってしまいました。 本園の巨峰は、あんまり着色しないうちに収穫して、出荷しようと、していたんですけど、 7月末〜8月初めの高温、日照り続きの影響を受けてしまって、 着色していなくても実が柔くなってしまったり、粒が落ちたりしてしまう房が目につくようになりました。 過熟を心配して、毎晩のように、スプリンクーラーで水をまいていたんですけど、 昼間は、ぶどう狩りのお客さんもいらっしゃいますし、自分達も収穫しますし、 スプリンクーラーを回すわけにもいかないのです。 温度を下げることも考えると、地面だけではなくて、葉っぱの上からも水をまかないと、 効果が少ないような気がします。 ...というか、天水、雨の代わりにはなりにくい、ということだと思います。 以前は、夕立とか、水をまかなくても良いくらいに、適当に雨が降ってくれて、 この時期に実が軟くなるなんて、心配したことはなかったのです。
 家庭用袋入りには、ある程度しっかりした房が採れてる間は、本園の巨峰を入れていたんですけど、 お盆前くらいからの化粧箱、地方発送箱には、 時期を遅らせて作っている分園のトンネルハウスの巨峰を採ってきて、詰めてました。 本園の軟くなってしまって販売できない巨峰は、 少しづつ、お客さんにオマケとしてあげて、喜ばれたのは良かったんですけど、 6月の長雨で、粒が割れたりして、量が少なくなってるうえに、 軟くなってしまって販売できない房まででてきましたから、 今年の巨峰の量は、ますます少なくなってしまいました。 「巨峰は、いつまであります...?。」の問い合わせに、かなり困ってしまってます。 分園の巨峰は、本園の巨峰に何事かあったときに、お盆前でも収穫できるようにって、 昨年の3/4くらいの房数に減らして、着色しやすいようにしてましたから、 今年の巨峰の収穫終了は、早まってしまうんじゃないかなって思ってます。 もちろん、お盆以降も、いつものお客さんが、いつもくらいに、順調に買いに来て下さればの話ですけど。