山門ぶどう園便り 2006年7月20日
http://www2.synapse.ne.jp/roshiroshi/
YahooJapanで、「山門ぶどう園」と入力して、検索できます。
ぶどう園日記、道案内地図、出水市周辺の観光紹介、などなど掲載してます。
ぶどう狩り、産地直売、地方発送
出水市観光協会推薦
山門ぶどう園
〒 899−0132 鹿児島県出水市下知識町1116番地
TEL 0996−62−1571 FAX 0996−62−4450
E-MAIL roshiroshi@po2.synapse.ne.jp
○ 巨峰
・・7月中旬〜9月
○ ロザリオビアンコ(マスカット)
・・8月〜11月
○ 甲斐路・セキレイ(赤嶺)
・・8月〜12月
○ ピオーネ(種無し)・瀬戸ジャイアンツ(種無し)
・・試験生産中
ピオーネ、瀬戸ジャイアンツなどの苗を植えて、
大粒系種無しぶどうの試験を始めてから3年目になりました。
ピオーネは、巨峰みたいな色形をしてて、お店でもよく見かけます。
瀬戸ジャイアンツは、マスカットみたいな色で、
桃のような形をしてるので「桃太郎ぶどう」とも呼ばれてて、
食味が良く、皮ごと食べられるらしいです。
お孫さんに食べさせるとき、
皮を剥いて種を取り除いてから「はい、どーぞ。」ってやると、
美味しい汁が垂れてしまうけど、
種無しぶどうだったら、皮を剥いてあげるだけなので、
あんまり汁が垂れなくてすむとか、
受験生のおやつとしての巨峰は、
種をだすときに手がベトベトになってしまうので、
勉強しながら食べにくいけど、
種無しぶどうは、皮を剥いて爪楊枝でも刺しておけば、
食べながら勉強が続けられるから、種無しぶどうがあったら良いのに、
という御意見があったのです。
お孫さん達は、自分で皮を剥いたり、種を取り出したりした方が、
指や舌の機能が発達して良い(保育園の園長先生曰く)だろうし、
受験生も、食べながらじゃなくて、
ちゃんとぶどうを食べてから勉強を再開するという、
メリハリも大事だと思ったりもするんですけど、
とりあえず、要望、需要があることですし、
種無しぶどうも作ってみることにしました。
この原稿を書いてる時点では、
粒が大きくなってきて、色着きはじめてて、
昨年までよりも随分と良くなってきてるんですけど、
まだ食べよーかな〜って時期ではないもんですから、
甘味と酸味と食感と、どのような味になるのか、期待と不安、いろいろです。
種無しぶどうは、同じ品種の種有りぶどうと比べると、
種を出す手間がいらなくて食べやすいんでしょうけど、
種が入ってないだけに、
甘味などの美味しさはマイナスになるって聞くことが多くて、
ずっと敬遠してたんです。
でも、評判の良くないものが多いだけに、
「もしも、他所よりも美味しいものを生産できるようになれば、
話題になる、人気になるかもしれない。」って期待も大きいのです。
1年目は、畑の隅っこにあった巨峰の若木で、
2年目は、ピオーネなどの植えたばかりの若木で試してみました。
ちゃんと種無しぶどうにはなったんですけど、
実にならずに流れてしまう花が多くて、
1房あたりの粒数が少なくて、
粒が大きくなるのや、小さいままのやら、いろいろ混じってて、
せっかく粒が大きくなっても、色着きが遅れて味が薄かったりして、
そんな失敗ばかりの2年間で、
3年目の今年は、何かしら成功があることを祈ってます。
普通の巨峰は、年々、1本の木が占める面積を増やして、
房数も増やして、1本の樹に1000房くらいは生らせると思うんですけど、
種無しピオーネなどは、年々、樹の幹や枝は太くなってきますけど、
1本の木が占める面積は変わらずに、毎年、同じくらいの房数、
100房くらいを生らせます。
種が入ってないと、粒も太りにくいし、美味しくなりにくいので、
肥料は、巨峰と同じくらいか、それ以上にたくさん与えて、
枝を強く太くします。
強い枝であればあるほど、良い実になるみたいです。
巨峰は、あんまり肥料を与えすぎて枝が強くなりすぎると、
実が生らないですから、ずいぶんと性格が違います。
種無しぶどうは、
軸が硬くなって粒がとれやすいので、
「固める」とか「組む」とか言うんですけど、
ラグビーボールのような詰まった房型にします。
がっちりと固まってるような房にして、粒と粒が押し合うことで、
粒がとれにくくなります。
粒の形は、外側は丸くしてても、
内側は、他の粒との押し合いして変形してます。
まともな房型に実止まりしたのは、今年が初めてなもんですから、
どのくらいの大きさの粒になるのか、
どのくらいの長さの房になるのか分からなくて、
どんなふうに粒を残したら良いのか分からずに、
いろんなパターンで粒間引きしてました。
ちょーど良さ気な房もあるんですけど、
1房あたりの粒数が多かったり、少なかったり、
詰まり過ぎてたり、なんとなく粒が伸びないような、
中に閉じ込められてしまった粒があるような、そんな感じがしてます。
今年か、来年か、再来年か、
いつの日にか種無しぶどうが送られてくることがあるかもしれません。
そのときは、食べられるものができるまでに、
2年間、3年間、それ以上の失敗があったことを想像しながら食べて下さい。